イベント
クラシックの雫2018 第2回『美しき殉教~オペラ「カルメル会修道女の対話」の世界~』
富山市民プラザ
”「対話」とは思考の交流であって、非常に室内楽的な営みである”
フランスの鬼才プーランクの1957年初演名作オペラ「カルメル会修道女の対話」。
18世紀フランス革命―。革命派にキリスト教聖職者が弾圧される中、信仰を貫いて処刑された修道女を描くこの作品は、美しい宗教曲と、話すような叙唱で彩られ、最後はギロチンの断頭の音が繰り返される衝撃作です。
宗教とは、殉教とは、生とは、死とは―…?
今回はオペラ後半部分をほぼノーカットで演奏する他、フランス近代音楽の祖フォーレの作品もとりあげ、プーランクとの作風の違いを浮き彫りにします。
第2回 『美しき殉教~オペラ「カルメル会修道女の対話」の世界~』
【開催日】 |
2018年8月17日(金) 開場18:30、開演19:00 |
【会 場】 |
富山市民プラザ 4Fアンサンブルホール |
【入場料】 | 一般 2,500円(当日3,000円) 高校生以下 1,500円(当日2,000円) チケットについて詳細はこちらをご覧下さい。 (クラシックの雫公式ホームページへ) |
【お問合せ】 |
クラシックの雫 事務局 090-8090-7360 |
プログラム
○プーランク:オペラ「カルメル会修道女の対話」より抜粋、
フォーレ:アヴェ・ヴェルム・コルプス、夢のあとに 他
フォーレ:アヴェ・ヴェルム・コルプス、夢のあとに 他
出演者
■四津谷泰子(ソプラノ)
■山本千鶴(メゾソプラノ)
さてオペラについて。
プロデューサーからのメッセージ
“「対話」とは思考の交流であって、非常に室内楽的な営みである”
こんにちは。2018年《クラシックの雫》第2回公演のプロデューサー、竹内雅挙です。今回は年に1度の声楽によるコンサートです。
私のプロデュースのポイントは、富山出身・在住の素晴らしい音楽家と共にあまり富山では聴くこと、見ることのできない演目を故郷の皆さんにお届けすること、そして富山の音楽演奏史の1ページに残るような公演を作りたいこと…。
今回のメイン演目は現代の名作オペラ「カルメル会修道女の対話」です。オペラといっても、タイトルにあるようにセリフ風の叙唱による「対話」によって進行し、いわゆる声で圧倒するような作品ではありません。それはストーリーが殉教を題材とした非常に個人的な葛藤を表現しており、志を同じくする修道女たちのそれぞれの思いや考えの交錯が描かれているからです。
私は今回のこの対話オペラが室内楽のシリーズ、《クラシックの雫》にあった作品であると感じています。室内楽と対極をなす大編成のオーケストラによる音楽。その豊かな音楽表現はダイナミックで様々な表現を可能にし、大変魅力的ではありますが、一方、小さい編成による室内楽はひとりひとりがソリストとして自らの音楽を主張し、能動的に表現することでアンサンブルを生み出します。個人の内なる内的葛藤に重きを置き、そのコミュニケーションによるアンサンブルは、まさに室内楽と同じ営みであるように思うのです。
閑話休題。
さてオペラについて。
このオペラは18世紀のフランス革命時に、革命派によって特権階級であったキリスト教聖職者が弾圧された際、革命派に従わず信仰を貫いたため処刑された修道女の史実をもとにしています。フランスの鬼才F.プーランク作曲の1957年初演の名作です。美しい宗教曲と話すような叙唱と美しい宗教曲で彩られ、オペラの最後はギロチンの断頭の音が繰り返されます。今回の公演では後半部分をほぼノーカットで演奏いたします。
宗教とは、殉教とは、生とは、死とは、を問う問題作です。
日本語訳は、オペラ歌唱、合唱指揮、詩作いずれにも秀でた日本音楽界の寵児、宮本益光氏によるもので、今回特別にお願いして使用の許可を頂きました。
なおオペラに先立つ第1部は、プーランクの先輩、フランス近代音楽の祖であるG.フォーレの有名な作品もとりあげ、プーランクとの作風の違いもお楽しみ頂きます。
そして今回は富山を代表するプリマドンナの一人、平井香織さんが出演とアドヴァイザーをお引き受け下さいました。平井さんもこのオペラをこよなく愛する一人です。
「全体を覆う淡々と静かな対話形式の音楽。その中に時折組み込まれる修道女たちの心の動揺や葛藤による激しい表現。この作品に初めて出会った20代半ばの頃から、いつもいつも私の心の中にひっそりと佇んでいたオペラ『カルメル会修道女の対話』この深く愛するオペラを富山の皆様に御紹介出来る事の喜びと責任を大きく感じております。
今回は第1部に演奏致します『ティレジアスの乳房』との比較もお楽しみいただけると思います。
プーランクの作品に潜む2面性…生粋のパリっ子である【軽妙・軽快さ】と敬虔なカトリック信者としての【静謐さ】、【遊びと祈り】、【俗と聖】…。
その他にもフォーレとプーランク作品の聴き比べ、ソリストによるアンサンブル曲などなど聴きどころは満載!富山の皆様、是非会場へお運びくださいませ。
お待ちしております。」
現在、東京と富山でそれぞれ稽古を進めながら、時折の合同稽古を行って仕上げていく予定です。出演者はプーランクの美しい音楽を味わい(苦しみ!?)ながら楽しく稽古中です。
多くの方にお越し頂き、音楽体験を共有できたら嬉しいです。
会場でお待ちしております。
プロデューサー 竹内雅挙
プロデューサー 竹内雅挙
総合プロデューサーからのメッセージ
3年前から、声楽の回のプロデュースをバリトンの竹内雅挙さんにお願いしております。竹内さんは毎回、このシリーズの目指すところをよく理解してくださった上でプログラミングをしてくださいます。すなわち、雫は「室内楽シリーズ」であるということ、そして何より演奏者たちがいろいろな意味で挑戦的姿勢で臨む、妥協なき構成であるということ。お客様へ媚び過ぎず、クラシック音楽の真髄をこの富山で共有していく、そんな場であることを、私自身が竹内さんのプログラミングから改めて確認させていただいています。
出演者の皆さんの熱意…度重なる練習にいやがおうにも期待が高まります。
どうぞ皆様、足をお運びくださいませ。
総合プロデューサー 中沖いくこ
総合プロデューサー 中沖いくこ
■総合プロデューサー 中沖いくこ(ピアノ) ●雫総合プロデューサー
この音楽に、このワイン
ソムリエ松谷幸司が選ぶ、音楽にベストマッチな特別なワイン。
大人が楽しむ、音楽とワインのマリアージュ・・・
コンサートの休憩時間(20分間)に、グラスで販売します。
■松谷 幸司 ワインソムリエ
2003年独立開業、『リストランテ・ワイニスタ』オープン。毎月変わるディナーコースの料理一皿ごとに、相性の良いワインが一杯ずつ適量サーヴされる「グラスワインのコース」はオープン当初から続くワイニスタならではの魅力的なスタイル。17年3月、カジュアルでお洒落な雰囲気のイタリア食堂『ファットリア・デル・グラッソ』オープン。そして17年7月、カラオケに合わせて楽器演奏ができるバー『スタジオ・ペケペケ』オープン。 |